直線を活かしたミニマムデザインと、ウォールナットの木目が醸し出す重厚感。極限までシンプルなフォルムにこだわり、行きついたのは「幕板」を無くすという選択でした。幕板とはテーブル部材の名称で、通常天板のすぐ下で脚と脚の間をつなぐように取り付けられた幅5~6cmの板のこと。実はこの幕板があることによって椅子の肘がぶつかってしまうため、多くのダイニングテーブルは肘付きの椅子を合わせることが難しかったのです。そこでSF29では幕板を無くし、天板と4本の脚だけというシンプルな設計にすることで、肘付きの椅子を天板の下にすっきり収納することを可能にしました。
製作するのは、広島県福山市で創業70余年を誇る家具工場。その高い技術と真摯なものづくりを頼りに、国内外の一流家具ブランドからOEMの依頼が後を絶ちません。
幕板にはもともと無垢材の反りを抑えるという役割もあるのですが、SF29では天板の裏側に金属製の反り止めを埋め込むことで幕板ありのテーブルと同程度の効果を実現。長年木と向き合い、木の性質を知り尽くした職人だからこそできた、機能とデザインの見事な融合です。