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2022.09.27

桜材の特徴について

日本の国花である桜。古くは古事記に、とても美しく、しかし短命な女性の神様として、桜の花を思わせるような記述があり、奈良時代に編纂された万葉集では、桜を詠んだ歌が数多く登場します。また源氏物語では、さまざまな描写で桜が描かれているなど、日本人の中で桜は常に特別な存在として多くの人から愛されてきました。

赤身と白太のコントラストは一期一会の出会い

一方で家具に使用する材料としては、楢やオーク、ウォールナットなどに比べると、馴染みが薄いかも知れません。

以前、見学にお伺いした家具工場の社長から「桜材は芯に近いほど色味が赤く、表皮に近い外側ほど白っぽい。そのせいで、家具の見た目に均一性が重要視された時代には使いづらい樹種でした」と聞いたことがあります。家具に仕上がった際に赤身と白太のコントラストが際立ち、さらにそれが同じテーブルであっても1点1点違う出かたをするので、再現性に乏しく、場合によってはクレームの原因になっていたそうです。

よく家具に使用される樹種として北米産のブラックチェリー材がありますが、こちらは桜と同じバラ科に属す近縁種。混同されがちですが、木目や色味、経年変化などは少しずつ違ってきます。

桜材は経年変化による色の移り変わりとやさしく滑らかな木肌が特徴。近縁種であるブラックチェリーも経年変化は大きく、淡いピンク色から濃い赤褐色へと色味が変化していきますが、桜の場合はそこまで赤みが強く出過ぎないため、落ち着いた雰囲気へと変化します。また水や養分を通すための「道管」と呼ばれる管が他の樹種に比べて小さく、木の密度が高いので、触れると木目細かな木肌を感じることができます。ほこりを吸いにくく汚れも染み込みにくいので家具だけでなく床や敷居などの建築用材にも最適です。

以前は家具の材料として敬遠されがちだったものの、時代の価値観とともに日の目を見るようになってきた桜。ご自宅の食卓で1年を通して桜を味わうというのもいいですね。

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