2022.05.20
本革ソファのお手入れ方法とメンテナンスについて
革の仕上げ方法は大きく分けて4種類。
表面を塗装によってコーティングした「顔料仕上げ」。鞣した革を染料によって染め上げた「アニリン仕上げ」。アニリン仕上げ同様、染色した後に表面を薄く塗装した「セミアニリン仕上げ」。そして、鞣した後に染色も塗装もしない「素上げ(ヌメ革)」。
風合いや手触り、経年変化などはもちろんですが、お手入れ方法も仕上げによって違います。
日常のお手入れは乾拭き、仕上げによってはオイルで保湿を
Story & Factory でご紹介しているソファや椅子に使われている革も、この4種類のいずれかに分かれますが、お手入れという面では、革の表面に「塗装膜があるもの」と「塗装膜がないもの」で違ってきます。
「顔料仕上げ」や「セミアニリン仕上げ」が「塗装膜があるもの」に分類されますが、(MSシリーズ、MOシリーズ)こちらは表面をウレタン塗装で保護しているので、通常は週1回、乾拭き程度の簡単なお手入れで大丈夫です。もし使っていくうちに手垢などがついて気になる場合は、蒸しタオルで軽く拭いていただき、その後水分が残らないように拭き取ってください。それでも落ちない汚れを無理に落とそうとすると、革の表面を覆っている塗装膜を傷めてしまい、かえって耐久性を落とすことになりかねません。また塗装膜が革の表面をコーティングしているため、クリームやオイルなどは革に染み込みません。クリームによっては塗装との相性が悪く、塗装膜を劣化させる可能性もあります。またクリーナーには溶剤や研磨剤が入っているものもあり、こちらも塗装膜を傷める可能性があります。結果、耐久性を落とすことに繋がりますので、おすすめできません。
一方、「アニリン仕上げ」や「素上げ(ヌメ革)」が「塗装膜がないもの」に分類されます。(KWシリーズ)こちらも基本的には週1回の乾拭き程度で大丈夫ですが、年に1〜2回メンテナンスオイルを塗ることで、革の表面の油分が保たれ、耐久性を維持することに繋がります。手順としては、まず革の表面のホコリを乾いた布で拭き取ります。次にメンテナンス用オイルを布に染み込ませて、布の上でしっかり伸ばします。そして革の表面を優しくなでるように伸ばしながら全体に塗ってください。後は表面のベタつきが消えるまで1日程度風通しを良くして乾かすだけ。しっとりとした革の感触が戻ってきます。また蜜蝋ワックスなどのメンテナンスキットを併用することで、ある程度は汚れも防ぐことができます。
木と同様、天然の素材である革も上手に使うことで、経年変化を楽しみながら長くご愛用いただくことができます。革の特徴に合わせて、日常のお手入れから定期的なメンテナンスまで、ぜひご参考になさってください。(メンテナンスオイルやキットの販売もございます。詳しくはこちらからお問い合わせください)
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