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2024.08.31

楢(ナラ)材の特徴について

日本では昔から箪笥や座卓(ちゃぶ台)など家具の材料として最も一般的に使われてきた楢(ナラ)材。なかでも北海道で採れるミズナラは海外では「ジャパニーズオーク」とも呼ばれ、その美しく細やかな木目から人気を博して来ました。楢(ナラ)のことを英語では「Oak(オーク)」と呼ぶように、ナラとオークは植物学上、同じブナ化コナラ属の落葉広葉樹ではありますが、厳密に言えば近縁種であり、木目や色合いなどが少しずつ違います。

希少性が高まっている国産の楢(ナラ)材

ヨーロッパや北米を中心に生育するオークに対して、楢(ナラ)の原産地は日本全土のほか、中国、インド、タイ、ロシアなど。日本国内に自生する楢(ナラ)にはコナラやミズナラ、クヌギなどがありますが、いずれも秋になるとドングリがなる木です。

家具の材料として使用されるのはほとんどがミズナラ。なかでも北海道産のミズナラは良質で、明治時代以降ヨーロッパをはじめ世界中に輸出されました。しかし残念ながら今は生産量が減少し、希少性が高まっているところに加え、ロシア、中国が輸出量を制限していることからが価格が高騰してしまっています。

寒冷な厳しい環境の中で育まれた細やかな木目

最大の特徴は美しい木目。北海道やロシアなど寒い地域で時間をかけて育った楢(ナラ)は目が詰まっていて年輪も細やか。柾目で製材した場合は真っ直ぐで繊細な木目が、板目で製材した場合はタケノコのような山型の力強い表情を見せます。また柾目に製材した際に木目を横切るように現れる縞模様も楢(ナラ)材の特徴のひとつ。これは「虎斑」と呼ばれ、木がその成長過程において栄養分を溜めていた部分なのだとか。良質な楢(ナラ)材にのみ現れるキャラクターマークとして、近代建築の巨匠「フランク・ロイド・ライト」も魅せられたと言います。

耐久性と耐水性を兼ね備えたダイニング家具にピッタリの素材

杉や檜などの針葉樹に対して広葉樹はハードウッドとも呼ばれ、硬くて頑丈と言われますが、その中でも楢(ナラ)は特に比重が高く重厚なので、耐久性に優れています。また木には根から吸収した水分を全体に送るための道管という穴が無数に通っていますが、楢(ナラ)はその道管を伐採直後に防御反応として生成される「チロース」という物質が塞いでいるため、水分を通しにくくなっています。ウイスキーやワイン樽として楢(ナラ)やホワイトオークが使用されるのはこの特性を活かしてのこと。つまり耐水性にも優れていると言えるでしょう。

このように耐久性と耐水性を兼ね備えた楢(ナラ)材は水回りに近いダイニングの家具としてピッタリの素材と言えるかも知れませんね。

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