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2024.09.28

籐(ラタン)の特徴について

古くから家具や日用品の材料として重宝されてきた「籐」。英名は「ラタン」という東南アジアやアフリカの熱帯地方に自生するヤシ科の植物です。なかでもインドネシア産が8割以上を占めており、日本には自生していないため100%を輸入に頼っている原料になります。Story&Factoryのチェアにも座面を籐で編んだものがありますが、軽量でありながらも強靭な性質を持ち、独特のしなやかさや耐久性から、籐家具は世界中で人気があります。ここではそんな「籐」の特徴や魅力についてご紹介したいと思います。

古代エジプトの時代から使われてきた天然素材

籐の歴史は古く、古代エジプトでスツールとして使われていたという資料が残っていたり、遺跡からは籐の籠細工や椅子などが出土したりしています。また、中国でも古代から籐が使用されていた記録があり、籐の編み物や家具が紀元前から作られていたそうです。日本でも1000年以上前から愛用されており、正倉院に保管されている籠や平安時代の茶道具、弓や刀の柄巻きなどにも籐が使われていました。

軽くて丈夫で長持ち

籐の最大の特徴は軽さと強度。これは家具を設計する上でとても重要な要素のひとつになります。軽量であるため、移動や持ち運びがしやすく、女性や高齢者でも安心。また曲げたり編み込んだりしても割れにくく、長く使用してもその形状を維持することができます。お手入れ次第で何世代にも渡って使えると言われることも。

非常に柔軟で、熱や蒸気を加えることで簡単に曲げたり編み込んだりすることができるのも籐の特徴。このため籐を使った家具はデザインの自由度が高く、丸みを帯びた曲線美や、細かなディテールなど職人のこだわりを表現した逸品も数多く存在します。

また通気性に優れているという点も見逃せません。これは木と同様、内部に無数の道管が通っているから。これによって多湿の季節には湿気を吸収し、乾燥した季節には放湿してくれる。「籐は呼吸をしている」と言われる所以です。汗ばむ夏場でもベタつかずサラッとし、冬は暖房の暖かな空気を纏って温もりを感じることができるのです。

お手入れは乾拭き&ブラシで

普段のお手入れは基本的に布巾で乾拭きすればOKですが、埃や汚れが気になる時はブラシや掃除機などで取り除きましょう。それでも足りなければ水拭きしても構いません。その際は後でしっかり乾かすことをお忘れなく。

近年サステナブルな意識の高まりと共に注目度が増している籐。というのも5〜10年と成長が早く、持続可能な素材だから。また森林伐採を必要とせず、他の植物に絡まることで成長するため、熱帯雨林の保護にも役立つとされています。長持ちし、再利用やリサイクルも可能なので、環境への負荷も最小限で済みそうですね。

そんな籐を座面に使用した椅子がこちら。ぜひその軽さと強さを実感して見てください。

※商品紹介や納品事例はこちらでもご覧いただけます。

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