2025.01.16
ウレタン塗装の特徴とお手入れ・メンテナンスについて
家具の仕上げ方法のひとつであるウレタン塗装は、その優れた耐久性と取り扱いのしやすさで知られています。材の表面にポリウレタン樹脂(プラスチック)を吹き付けて覆うことで表面を保護するため、耐久性と耐水性に優れており、家具だけでなく、フローリングや車両、工業製品にも広く用いられています。こちらでは、そのウレタン塗装の特徴や取り扱い方、普段のお手入れ、メンテナンス方法などについてご紹介したいと思います。
ウレタン塗装の特徴(メリット)
1.耐久性
ウレタン塗装の塗膜は硬度が高く、傷や摩耗に強いため、日常的に使用される家具やテーブルなどに適しています。
2.耐水性・耐薬品性
水やアルコール、洗剤などに対して優れた耐性があり、湿気が多い環境や飲食を伴う場面でも安心です。
3.仕上がりの美しさ
塗膜の透明度が高く、木材の美しい木目を引き立てながらも表面を滑らかに仕上げることができます。
4.メンテナンス性
表面が汚れても簡単に拭き取ることができ、長期間美しい状態を維持しやすいです。
5.デザインの柔軟性
光沢のある仕上げからマットな仕上げまで、好みに応じて調整が可能なので、幅広いデザインにも対応可能です。
ウレタン塗装の特徴(デメリット)
1.補修の難しさ
ウレタン塗装は塗膜が硬いため、傷や剥がれを修復するのが難しいです。部分的な補修ではなく再塗装が必要になる場合が多く、専門の技術や設備が必要になります。
2.環境への影響
ウレタン塗料には揮発性有機化合物(VOC)が含まれている場合があり、塗装作業時に環境や健康への影響が懸念されます。
3.コスト
他の塗装方法に比べて材料費や施工費が高くなる傾向があります。
他の塗装方法との比較
塗装方法 | メリット | デメリット |
ウレタン塗装 | 高い耐久性、耐水性、美しい仕上がり | コストが高い、修理が難しい |
ラッカー塗装 | 乾燥が速い、コストが低い | 耐久性が低い、薬品に弱い |
オイル仕上げ(塗装) | 自然な風合い、メンテナンスが簡単 | 耐水性や耐久性が劣る |
UV塗装 | 短時間で硬化、耐久性が非常に高い | 特殊な設備が必要、コストが高い |
普段の取り扱い方とお手入れ・メンテナンスについて
1.日常の使用で注意すること
・高温のものを直接置かない:塗膜が変色や変形する恐れがあります。
・鋭利な物で表面をこすらない:塗膜が剥がれ、傷がつく原因となります。
2.環境で注意すること
・直射日光や湿度の高い場所を避けることで、塗膜の劣化を防げます。
3.日常のお手入れ
・柔らかい布で乾拭きするのが基本です。
・汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めた水で拭き取り、その後乾拭きで仕上げます。
4.メンテナンスと補修
・傷や大きな損傷は一度ウレタン塗装を剥がし、木地を研磨した上で、再度ウレタン塗装をかける必要があるため、専門業者に依頼する必要があります。
傷が付きにくく、取り扱いもしやすいと言われるウレタン塗装ですが、それも万能という訳ではありません。特徴を踏まえた上で適切に取り扱うことで、美しい状態を長く保ちながらお使いいただけるのではないかと思います。
※「ウレタン塗装とオイル仕上げ(オイル塗装)の違いについて」はこちら
※商品紹介や納品事例はこちらでもご覧いただけます。