2025.02.22
成形合板を使った家具の特徴と魅力について
フィンランドの建築家アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)や、アメリカのチャールズ&レイ・イームズ(Charles & Ray Eames)などの革新的な家具デザインを可能にした成形合板。弊社の椅子の中でもチェア「SF36」や「SF42」には成形合板が使われています。
その起源は20世紀初頭に遡り、特に第二次世界大戦後には、デザイナーや建築家たちによって家具デザインの分野で広く活用されるようになりました。成形合板は木材を薄い単板(ベニヤ)に加工し、それを積層して接着しながら、圧力と熱を加えて特定の形状に成形する技術を用いた木材加工製品です。この技術は、通常の無垢材では困難な自由な曲線や複雑なデザイン表現を可能にしました。
成形合板家具の特徴
1、デザインの自由度の高さ
成形合板の最大の特徴は、木材の柔軟性を活かした有機的な形状の実現が可能な点。通常の無垢材では難しい滑らかな曲線や連続したラインを生み出すことができ、デザインの幅が広がります。
2、軽量かつ高強度
薄い単板を何層にも重ねて作られるため、無垢材よりも軽量でありながら、強度を維持することが可能になります。特に、適切な方向に木目を配置することで、強度と耐久性を向上させることができます。
3、環境への配慮
成形合板は一般的に持続可能な方法で生産されます。単板の原料となる木材は、比較的短期間で成長する樹種(例えばブナ、カバ、シナノキなど)が使用されることが多く、森林資源の効率的な利用につながります。
4、コストパフォーマンスの高さ
無垢材の家具に比べて、材料費や加工費を抑えることができるため、比較的安価に製造できます。特に大量生産に適しているため、デザイン性の高い家具をリーズナブルな価格で提供することが可能になります。
5、組み立てや加工の容易さ
成形合板の家具は、一般的に軽量でありながら強度があるため、組み立てや移動が簡単です。また、金属やプラスチックとの組み合わせがしやすいため、多様なデザインの実現することができます。

成形合板家具の魅力
1、近代デザインとの親和性
成形合板は、モダンデザインやミッドセンチュリー家具と高相性。特に、イームズ夫妻のラウンジチェアやアルヴァ・アアルトの「スツール60」など、アイコニックなデザインが数多く生まれています。
2、人間工学に基づく快適な座り心地
成形合板の技術を活用することで、人間の体のラインにフィットするような座面や背もたれを作ることができます。長時間使用しても疲れにくい椅子やソファを作ることも可能です。
3、自然な風合いと温かみ
無垢材に比べて加工しやすい一方で、表面に木目を活かした仕上げを施すことで、ナチュラルな木の風合いを保つことができます。インテリアに温かみをもたらしつつ、スタイリッシュな印象を与えることもできます。
4、高い耐久性とメンテナンスの容易さ
成形合板は、適切な塗装やコーティングを施すことで、汚れや湿気に強くなります。手入れをしながら長く使用することもできます。
5、幅広い価格帯と選択肢
成形合板を用いた家具は、デザイナーズ家具から量産品まで幅広い価格帯で提供されていて、消費者のニーズに合わせた選択肢が豊富に揃います。

代表的な成形合板の家具
1、アルヴァ・アアルトの「スツール60」
フィンランドの建築家アルヴァ・アアルトが1933年にデザインした「スツール60」は、成形合板を活用したシンプルかつ機能的なスツールです。3本のL字型の脚が特徴的で、積み重ねが可能なため、収納性にも優れています。
2、チャールズ&レイ・イームズの「ラウンジチェア」
チャールズ&レイ・イームズが1956年に発表した「イームズ・ラウンジチェア&オットマン」は、成形合板を活用した最も有名な家具のひとつ。成形合板のカーブを活かしつつ、レザーと組み合わせた高級感のあるデザインが特徴です。
3、アルネ・ヤコブセンの「アントチェア」、「セブンチェア」
デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンが1952年にデザインした「アントチェア(アリンコチェア)」や1955年にデザインした「セブンチェア」は、成形合板を活用した軽量かつスタイリッシュなチェアで、ミニマルなデザインが特徴です。
4、柳宗理の「バタフライスツール」
日本のデザイナー柳宗理が1956年にデザインした「バタフライスツール」は、成形合板を活かした優雅な曲線が特徴的なスツールであり、日本の伝統的な美意識とモダンデザインが融合しています。

このように成形合板の家具には「デザインの自由度の高さ」、「軽量でありながら強度のある構造」、「環境への配慮」、「コストパフォーマンスの高さ」など、さまざまな良さがあります。
また、人間工学に基づいた快適な座り心地や、温かみのある素材感など、インテリアにおいても高い魅力を備えています。
近代デザインの発展とともに、多くの著名なデザイナーによって革新的な成形合板家具が生み出されてきましたが、今後も、その技術は進化し続け、新たなデザインや用途の可能性を広げてくれるのではないでしょうか。
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