2025.04.8
無垢材家具の取り扱い方と注意点について
無垢材の家具は、天然木そのものを使用して作られており、木のぬくもりや美しさ、経年変化を楽しめるという点で多くの人々に愛されています。一方で自然素材であるがゆえに取り扱い方が難しいのでは?と懸念されていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。今回はそんな無垢材の家具を長く美しく使い続けるための取り扱い方と注意点についてご紹介したいと思います。
1.無垢材の特徴って?
無垢材とは、一本の木から切り出した材木のことを指し、集成材や合板とは異なり、接着剤や人工的な加工をほとんど施していないのが特徴です。そのため、木の持つ自然な表情や質感、香りをそのまま感じることができ、家具にした時も存在感や味わい深さがあります。
しかし、無垢材は呼吸する素材とも言われ、湿度や温度の変化によって膨張・収縮を繰り返します。この「動き」が無垢材特有の魅力でもありますが、取り扱いを誤ると反りや割れなどのトラブルにつながるため、「暴れ」と表現されることもあり、環境や使い方に配慮することが重要です。
2.設置場所はどこがいいの?
無垢材家具を設置する際には、次のような点に注意が必要です。
・直射日光を避ける:直射日光が当たる場所に置くと、木が乾燥しすぎて割れや色あせの原因になります。極力、直射日光は避け、カーテンやブラインドで遮光するなどの工夫をしましょう。
・エアコンや暖房の風を避ける:冷暖房の風が直接当たる場所も急激な乾燥や温度変化を引き起こすため、家具の劣化を早めます。風が直接当たらない位置に設置することが望ましいです。
・床暖房との関係:床暖房の上に無垢材の家具を置くと、底面が乾燥して反りや割れの原因になる可能性があります。必要に応じて断熱材を敷いたり、加湿器を設置するなどの対策を検討しましょう。
3.日頃のお手入れはどうすれば?
無垢材家具は定期的なメンテナンスを行うことで、より長く美しく使うことができます。
・乾拭きが基本:普段のお手入れは、柔らかい布で乾拭きするのが基本です。水拭きは避けるか、固く絞った布で行うようにし、水分が残らないようにしましょう。
・オイル仕上げの場合:オイル仕上げの無垢材は、半年から1年に一度程度、専用のメンテナンスオイルを塗布することで、艶と保護力を保つことができます。塗布後は、余分なオイルをよく拭き取り、しっかりと乾燥させましょう。
・ワックス仕上げの場合:ワックスはホコリを寄せ付けにくくする効果がありますが、定期的な塗り直しが必要です。仕上げに合った製品を使用し、過剰な塗布は避けるようにしましょう。
4.季節による変化と対応策は?
無垢材は季節によって膨張・収縮を繰り返します。特に冬場は乾燥しやすく、夏場は湿度が高くなるため、以下のような対策が有効です。
・加湿・除湿のコントロール:湿度が40~60%程度に保たれるように、加湿器や除湿機を活用すると木材の変形を抑えることができます。
・エアコン使用時の注意:空調設備を使う際は、部屋の湿度や温度が急激に変わらないよう設定に注意しましょう。
5.その他に気をつけることは?
・重い物の長期設置:無垢材の上に重い物を長期間置くと、凹みや変形の原因になることがあります。接地面にフェルトなどを敷くと効果的です。
・輪ジミやシミの防止:コップの水滴や熱い鍋などを直接置かないようにしましょう。コースターや鍋敷きを使って保護することが大切です。
・小さな傷や汚れ:細かな傷はサンドペーパーで軽く研磨し、オイルで仕上げることで目立たなくなります。無理に削りすぎないよう注意が必要です。

無垢材の家具は、適切に取り扱えば世代を超えて使用できるほどの耐久性と美しさを持つ逸品です。自然素材ならではの変化を理解し、日々のメンテナンスと丁寧な使い方を心がけることで、木の本来の魅力を長く楽しむことができます。ぜひ天然木との一期一会を大切にしながら、愛着を深めて使っていただければと思います。
※「オイル仕上げのテーブルの取り扱い方やお手入れ・メンテナンスについて」はこちら
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