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2025.05.14

おすすめの家具用メンテナンスオイルについて

天然木の美しさと温もりを最大限に引き出す「オイル仕上げ」は、近年のナチュラル志向の高まりとともに人気を集めています。ウレタン塗装とは異なり、オイル仕上げの家具は木の質感を活かし、使い込むほどに味わいを増していくのが魅力です。

そんなオイル仕上げの家具はメンテナンスをしてあげることで、更に長く美しく使うことができます。定期的にオイルを使って木に潤いを与え、自然な艶と保護膜を持続させる。今回はそんなオイル仕上げの家具のメンテナンスに適した、国内外で人気の高い自然派オイルを紹介してみたいと思います。

1. リボス社「ビボスオイル(BIVOS)」

・原産国:ドイツ

・主成分:亜麻仁油、植物性ワックス油脂

ドイツの自然塗料メーカー「リボス社」が製造する「ビボスオイル」は、家具やカウンタートップなどに使用される自然系メンテナンスオイルの代表格です。亜麻仁油を主成分とし、植物由来の原料をベースにしたこのオイルは、人体やペットへの安全性が非常に高く、特に子供用家具や食卓にも安心して使用できます。

ビボスオイルは既にオイル仕上げが施された家具のメンテナンス用として開発されており、定期的に布で塗布することで木材内部への浸透と保湿を促し、乾燥やひび割れを防ぎます。また、無色透明なため、木本来の色味を損なうことなく、自然な艶を与えます。オイル仕上げの定番として多くの工房や職人に愛用されています。

2. オスモカラー「エキストラクリアー(Extra Clear)」

・原産国:ドイツ

・主成分:ヒマワリ油、大豆油、カルナバワックスなど

こちらもドイツ製の自然塗料ブランド「オスモカラー(Osmo Color)」の製品で、木材用の仕上げ・メンテナンスオイルとして世界中で評価されています。オスモのメンテナンスオイルは、ヒマワリ油や大豆油などの植物油と、天然ワックスを主成分としたオイルで、塗膜を作らず、木の呼吸を妨げません。

特にオスモの魅力は、「オイル&ワックス」仕上げによる高い撥水性と耐久性です。水や汚れに強く、ダイニング周りの家具にはうってつけ。クリアータイプの他にも色付きタイプやUVカット効果のあるものも用意されており、用途に応じて選ぶことができます。椅子やテーブルだけでなく、無垢材のフローリングなどにおすすめです。

3. ユーロミツロウワックス(旧称:ユーロオイルワックス)

・原産国:日本

・主成分:亜麻仁油、桐油、蜜蝋、弁柄、ヒバ油など

「ユーロミツロウワックス」は、近年評価を高めている国産の高品質オイルです。植物由来成分を使用し、木の導管に浸透して内部から潤いを与え、自然な手触りとしっとり落ち着いた質感を実現します。

香りが控えめで乾燥時間も早く、室内使用にも適している点がポイント。ややマットな仕上がりを好む方に最適です。リボスやオスモよりも控えめな艶と自然な色合いを保つことから、ナチュラル志向の方に支持されています。

4. アウロ(AURO)社「No.129 ツーインワンオイルワックスクラシック」

・原産国:ドイツ

・主成分:オレンジ油、亜麻仁油、ヒマワリ油、蜜蝋など

・アウロはドイツの老舗自然塗料ブランドで、化学成分ゼロにこだわる姿勢から、環境保護と健康安全面で非常に高い評価を得ています。中でもAURO No.129は発売から35年以上の実績を持ち、無垢材の保護やメンテナンスに広く利用されています。

このオイルは特に乾燥しやすい室内環境にある木製家具に効果的で、しっとりとした艶を与えるとともに、木材表面を保護します。香りも自然由来で、使いやすく、取り扱いやすいのも特徴です。

5. ワトコオイル

・原産国:イギリス

・主成分:亜麻仁油、溶剤など

イギリス発の「ワトコオイル」は、日本でもホームセンターなどで入手しやすく、DIY愛好家にも人気があります。乾燥が早く、深く浸透するため、木材内部からの保護力が高く、耐久性のある仕上がりになります。ただし、やや揮発性の成分を含むため、使用時は換気に注意が必要です。天然成分ではないものも含まれているため、完全な自然素材にこだわる方には向かないかもしれません。

6. 蜜蝋ワックス(Beeswax Wax)

上記のオイルに加え、仕上げとして「蜜蝋ワックス」を併用することで、保護力と艶出し効果が格段に向上します。蜜蝋はミツバチの巣から取れる天然のワックスで、オイルで潤いを与えた後に塗布することで、水や汚れからさらに木を守ることができます。

メンテナンスの頻度と方法

オイル仕上げの家具は、以下の手順で年に1〜2回の定期的なメンテナンスをすることで美しさをより保つことができます。

1、表面の汚れや埃を乾拭きまたは軽く水拭きして取り除く。

2、柔らかい布にオイルを染み込ませ、木目に沿って薄く均一に塗布。

3、数十分〜1時間程度置き、余分なオイルを乾いた布で拭き取る。

4、乾燥後、必要に応じて蜜蝋ワックスで仕上げる。

家具は日常に寄り添う道具であると同時に、暮らしを彩る大切な存在です。オイルによるメンテナンスは、木材の質感や色味を長く美しく保ち、使い手の愛着も深まります。オイルによってそれぞれに特徴があり、家具の種類や用途に応じて使い分けることで、より適切なケアが可能になります。ぜひ環境や健康に配慮した自然派オイルで、家具との豊かな時間を楽しんでみてください。

※オイル仕上げの家具の一覧はこちら

※商品紹介や納品事例はこちらでもご覧いただけます。

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