SF25の肘付きタイプ。無垢材ならではの風合いを存分に生かしつつ、厚みを抑えた細身の脚ですっきりとしたフォルムに。一方で、幅500㎜×奥行490㎜の広々とした座面は、体の大きな方でもゆったり寛げるサイズ感。お尻の丸みに沿ってカーブが施され、長時間座っても疲れにくいデザインとなっています。製作しているのは、福岡県朝倉市にある小さな工場。国内有数の高い技術力を誇り、職人の手で一点一点、無垢材の椅子を製作しています。
背もたれ部分の緩やかなカーブは、「曲げ木」の技術によるもの。無垢材を100度ほどの高温蒸気で熱し、木が柔らかくなったところでゆっくり圧力をかけながら曲げるという方法です。古くからある技術ですが、木の種類によるねばりの差や含水率、気温や湿度に合わせた細かな調整は、職人の経験がものを言います。
細く軽やかなフォルムでありながら強度と耐久性を両立させているのは、その構造に織り込まれたさまざまな工夫です。とくに、椅子の中でも最も大きな負荷がかかるジョイント部では、ダボやホゾの接合部分を厚く残して削り出す「持ち出し継ぎ」という加工を採用。接合部分は段差が出ないように丁寧に摩り磨かれ、手で触れても分からないほど滑らかな仕上がりに。
無垢材の温かな手触りを楽しめるアームチェアは、ダイニングチェアとしてはもちろん、デスクチェアにもぴったりです。