スリムで軽やかなデザインと無垢材の温もりが魅力のアームチェア。脚やアームはもちろん、それぞれの接合部など、手に触れるすべてのパーツを丸く削り出すことで、どの角度から見てもやさしい印象に。背もたれを一枚の板ではなく、4本の細いパーツでスリット状に構築し、見た目だけでなく重量的にも軽さを実現しました。その背もたれは、一般的なダイニングチェアよりもやや角度を深くすることで、ゆったりと体をあずけられるデザインに。食事だけでなく、読書やお酒をゆっくり楽しんだりと、ダイニングで過ごす毎日の時間を少し特別なものにしてくれます。
この椅子を製造するのは、福岡県朝倉市で50年、椅子づくりを営む小さな工場。国内有数の高い技術力を誇り、職人の手で一点一点、無垢材の椅子を製作しています。軽さを追求した細身のフレームながら、高い強度を実現できる理由は、その接合方法にあります。たとえば、背もたれに角度をつけるため、後脚は2本の部材を「く」の字に繋いでいるのですが、大きな負荷がかかる部分のため、強度の高いフィンガージョイントを採用。また、後脚と背もたれの部材は通常「ダボ継ぎ」で接合しますが、脚の形状が曲面のため難しいという結論に。試行錯誤のすえ、後脚に穴を開けて、背もたれ部材をそのままホゾのようにぴったりと差し込む仕様にたどり着いたそう。目には見えない部分に込められた、手間と時間。機能性とデザインを追求しながら技術を高めてきた、同社ならではのこだわりが感じられる一品です。