こちらはSF6、SF7、SF38の同シリーズで座面が板座のタイプです。
無垢材の椅子にブラックの着色を施し、仕上げはウレタン塗装に。落ち着いた光沢のある黒がモダンな印象ですが、見る角度や光の当たり方によって無垢材の木目が浮かび上がり、木の素材感もしっかりと味わえる一品です。フレームは背もたれからアーム、そして4本の脚へとシームレスに繋がるデザイン。スタイリッシュな細身のフォルムですが、アームの接合部にはフィンガージョイントを採用するなど、耐久性にも強くこだわっています。
この椅子を製造するのは、福岡県朝倉市で50年、椅子づくりを営む小さな工場。国内有数の高い技術力を誇り、職人の手で一点一点、無垢材の椅子を製作しています。座り心地を左右する背もたれやアームは特にデザインにこだわり、この椅子も腰から背中にかけてのやさしいホールド感が魅力。背もたれにゆるやかなカーブを生み出しているのは「曲げ木」という技術で、木材を100度ほどの蒸気で熱し、柔らかくなったところをゆっくり圧力をかけて曲げていく方法です。技術自体は古くからあるものですが、木の種類によるねばりの差や含水率など、細かな調整は経験がものを言うそう。
また、仕上げの研磨は必ず人の手で感触を確かめながら行うため、その手触りはいつまでも触っていたくなるほどの滑らかさ。接合部の継ぎ目がまったく感じられず、まるで一本の木から削り出したような一体感を楽しんでいただけます。