飛騨産のナラ材を使用し、飛騨の工房で一点一点製作されるメイドインジャパンのアームチェア。国産紅葉樹の無垢材という希少性に加え、椅子づくりのほぼ全工程をたった一人の職人がおこなうというスタイルにも物語を感じる一脚です。

目の詰まった力強い木目と落ち着きのある色合いは、飛騨産ナラ材の特徴。無垢の風合いを存分に生かした椅子は、厳しい自然の中で生き抜いてきた木の歴史がそのまま滲み出したような佇まいです。一方で、モダンな美しさのあるシルエットも目を惹くポイント。両端に向かってシェイプされた前脚や、立体的な曲面を描きながら背もたれと融合する後脚。下部に大きくアールをつけた背もたれの流線的なフォルムは、風を受けて膨らむ帆をイメージしてデザインされています。

背もたれに心地よいフィット感を生み出すのは、飛騨で100年以上培われてきた「曲げ木」の技法。スリムな脚の内部では凹凸のホゾがしっかりと組まれるなど、確かな伝統技術で座り心地と耐久性を支えています。

製作するのは、飛騨高山にある工房。周囲を山々に囲まれ、冬は雪に覆われる厳しい環境下で、地元の木材にこだわった家具づくりをおこなっています。一脚の椅子をつくり上げるまで、木取りからパーツ加工、組み立て、研磨や塗装に至るまでほぼ全工程を一人の職人が担当。細部にまでものづくりの哲学が行き渡った“職人メイド”の椅子です。座面は天然の植物繊維からつくられるペーパーコードのほか、クッションタイプもセレクト可。