2023.02.20
自然が生み出す天然木ならではの杢目(キャラクターマーク)について
人間や動物が姿かたち、手相、肌の色などひとりひとり違うように、天然木にもまた個体差(個性)があります。そして生きていく過程でシワやホクロ、アザやシミが増えていくのと同じように、天然木も長い年月をかけて厳しい自然環境の中で育ってきた痕跡を内に宿しています。ここでは特に家具の材料として人気のオーク材やナラ材、チェリー材によく見られる独特の杢目(キャラクターマーク)をご紹介したいと思います。
フランク・ロイド・ライトが愛した銀色に輝く杢目
虎斑(シルバーグレイン)・・・ナラ材やオーク材などブナ科の木材の柾目を横切るように現れる杢目で、その名のとおり虎の縞模様に似ていることから「虎斑」と呼ばれます。また光沢があり、光の当たり方次第で銀色に輝いて見えるため「シルバーグレイン(銀杢)」とも呼ばれます。これは木が成長のための栄養分を蓄えていた放射組織が独特の杢目となって現れたものであり、それ故に他の箇所よりも養分が豊富で、摩擦にも強いなど、良い部材であるとされています。近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトはこの「虎斑」に魅せられて、多くの作品でオーク材を用いたとの逸話もあります。
厳しい自然環境の中で生き抜いてきた証
ガムポケット・・・これは木の成長過程において、細胞の隙間に樹脂(ヤニ)が滲み出て固まったものが黒い点や線状に現れたもの。特にチェリー材でよく見かける杢目です。ヤニツボとかヤニスジなどと呼ばれることもありますが、長い年月、風雪にさらされて成長する樹木は、時として動物や鳥につつかれて出来た傷口や細胞の隙間から虫や病原菌に襲われる危険性があります。その際に分泌し固めて覆うことで、外敵の侵入から身を守る防御システムがこの樹脂(ヤニ)というわけです。言うなれば、ガムポケットは生きるための試練を乗り越えてきた証とも言えでしょう。
この他にも天然木には長い時間、自然環境の影響を受けながら懸命に育ってきた証やふたつとない個性がたくさんあります。100年を超えるような時間の流れの中で育ってきた天然木のストーリーに想いを馳せるのも、無垢材の家具を愛用する楽しみのひとつではないでしょうか。
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